先日、教育分野におけるビッグデータ分析の最先端トピックの紹介があるということで、表題にあります Asuka Academy 様主催のセミナーに参加してきました。
講演資料や動画は全て下記のサイトにて公開されています。
放送大学の山田恒夫先生と上智大学の田村恭久先生より講演がありましたが、両セッションを通して個人的に学びになったポイントおよび追加調査した事項を下記にメモしておこうと思います。
学習とは
- 個体発生における環境への適応過程 (Adaptation)
- 系統発生における適応は進化
Learning Analytics (LA) について
- 定義 : Learning analytics is the measurement, collection, analysis and reporting of data about learners and their contexts, for purposes of understanding and optimizing learning and the environments in which it occurs.
- 上流は配信、中流が LMS を使った学習ときて、下流が解析(= LA のフォーカス)
- LMS (Learning Management System) : 学習教材の配信や成績の管理などを行うための学習管理システムのこと
- フィードバックは学習者だけでなく指導者に対しても行われる
- 認知の観点からみた学習スタイルの違い
- Holist : 全体の構成の理解から入る(トップダウン)
- Serialist : 逐次的に詳細を処理していく(ボトムアップ)
- LA のアウトプット(一部抜粋)
- Recommendation : 単元を戻って再学習を促すなど
- Adaptation : 個々の特徴に応じた教材の組み替え
- E-Portfolio : 学習者がどんなことができるようになったのかという証明
- Prediction : 単位を落とした学生が留年・退学する確率の算出(大学運営の観点からも重要)
- クライアントサイドのデバイス普及・技術進化により LMS では取得できなかったユーザの行動を記録できるようになった
- ページめくりや心拍などの生体情報
- 学習過程を記述し、再利用性を高めることで実験計画法による仮説検証の限界を超えられる可能性がある
- ビッグデータ解析によるアプローチ
- LA のデータ項目に関する規格
- xAPI (Experience Application Programming Interface) : LMS ありきの学習に縛られずに多種多様な学習活動の履歴を記録・検索・抽出するための技術仕様。従来の e-learning システムの相互運用性を高めるために規定されていた SCORM (Sharable Content Object Reference Model) ではカバーできないユースケースを補完するために定義されている。
- Experience API(Tin Can API)(v1.0.0)
- LRS (Learning Record Store) : xAPI で収集された学習履歴を保持するためのデータストア
- IMS Caliper : LA のフレームワーク。69 + 23 項目の例
- 文科省・電通(非公開)
- EDUPUB LA : 44 項目
- xAPI (Experience Application Programming Interface) : LMS ありきの学習に縛られずに多種多様な学習活動の履歴を記録・検索・抽出するための技術仕様。従来の e-learning システムの相互運用性を高めるために規定されていた SCORM (Sharable Content Object Reference Model) ではカバーできないユースケースを補完するために定義されている。
情報源
- 国際会議・論文誌
- コミュニティ
- Google groups on learning analytics
- Learning Analytics Community Exchange (LACE)
- 学習分析学会 (8月 web サイト公開)
- 9/1 : 発足記念パーティ
- 10/24 : 第一回研究会
- 10/29 : LA ハッカソン
- 3/x : 第二回研究会
- 標準化
- ISO/IEC JTC 1/SC 36 Information Technology for Learning, Education and Training (ITLET) WG8