べにやまぶろぐ

技術寄りの話を書くつもり

『UX、デザイン思考、サービスデザインのためのユーザーインタビュー入門』参加メモ

最近、デザイン思考に興味を持ち始めてきたこともあって、こちらの勉強会に参加させていただきました。

uxd-hcd-waiwai-cafe.doorkeeper.jp

普段 UX 系ど真ん中なイベント(語弊があったらすいません)にあまり参加していないこともあって、デザイナーさんやサービス企画・リサーチに携わる人とお話しができて楽しかったです。UXD/HCD ワイワイCAFE というコミュニティのイベントで、過去にもとても面白そうなイベントをされていたことに今更気づいて後悔しております。もっと早く気づけばよかった。

イベントの内容としては、下記書籍の出版記念も兼ねているということで著者の方々が登壇されて実際にユーザーインタビューのデモンストレーション&解説があったり、参加者同士がワークショップ形式でそのテクニックを試してみたりしました。

その後にもパネルがあって懇親会と続いたのですが、このイベントでは常葉大学の学生の方々がグラフィックレコーディングという手法を用いてリアルタイムにどんどん議論を可視化していました。

例えばパネルディスカッションは

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のようになって、一目で今回のイベントの内容、議論の変遷や要点がわかるようになっています。そもそもそんな手法や研究分野があることを知らなかったので勉強になりました。

とはいえ自分なりにもいろいろメモしましたので、ここに書き残しておきます。

ユーザーインタビューのポイント(ライブデモ)
  • インタビューにかかる見込み時間を相手に伝えて安心感をつくる
    • その後盛り上がってももうちょっといいですか?で時間を延ばせる雰囲気作りに役立つ
  • 『気になっている事』はポジティブなことを思い込んでしまいがちだが、ネガティブなこともあるのでどっちでも大丈夫だという事を最初に明確に伝える
  • 次の質問などいろいろ考えて間ができそうなときはちょっとした言葉を挟んで沈黙しないようにする
  • 誰でもずっと見つめられたら嫌なので、メモをとりながら視線を外すこともする
  • 相づちなどの仕草はインタビューでは大げさにするくらいが良い
  • 自分がきちんと理解しているということを伝える・確認するために『おうむ返し』や『(はいかいいえで答えられる)クローズドクエスチョン』を挟む
  • クローズドクエスチョンだけだとただの選択式アンケートでも良いので、少し考えてもらわないと答えが出てこないオープンクエスチョンも使う
  • その人の考え方に寄り添って話を聞き出す、共感を伝える一言が大事
  • 脱線しそうであっても、一生懸命考えていってくれていることを否定しては駄目なので『ご自身のことを考えてみてください』などとして話を戻すのも大事
  • 笑顔で終わるインタビューが良い
  • 質問によって相手の思考が狭まってしまう事があるので、あえて迂回しながら聞くことも大事
  • インタビューのときは自己紹介をするのが基本
  • ここにいなかったら何をしているかなど、具体的にイメージしてもらうような質問も効果的
  • 『ごろごろしている』についておうむ返しするだけでなく質問を加える(ごろごろするのはなぜなのか?などもう少し聞きたいところ)
  • 相手の話を要約して租借しながら質問する
  • 一生懸命話してくれるときは声小さめでうなづく
  • 仮説をぶつけてみて現状を明確にする
  • 過去の時点について引き出した言葉を使って、未来についての質問をする
  • 会社目線の話から切り離して個人の視点に切り替えて話を聞こうとする時に間を使う
  • 『周りの人』ではなく『会社の後輩』や『同僚』というようにある程度具体的な言葉を使って聞く
パネルディスカッション
  • なんでこの仕事をしているのか?
    • 勝手に作られたものが多い、良いものを作りたい。人の事を知りたいと思って心理学を勉強
    • モノを作る前にいろいろ調べる = リサーチ
    • この会社で必要とされている UX デザインは何なのか、情報はたくさんあるけれど決めるのは自分
    • ユーザの顔が見えていない状況がわかるようになる
    • 毎回会う人が違う
    • 人に話を聞く方が安心していられる
  • インタビューはカウンセリングにも似ている
  • 想定外の事態(デジカメの電源を入れるのに40分かかる)など、計画通りにいかないことがある
  • インタビューの計画ができるようになるには時間がかかる
  • クライアントの意図を聞き出すこと自体がインタビュー
  • 話が合わなかったり盛り上がらないとき
    • 馬鹿のフリをする
    • 少しの反応に解釈を入れて話を広げて探る
    • 無口な若い男子のときなどはお母さんの立ち位置になってみて口を動かさせる
    • 相手とモードを合わせる(ハイな相手にはハイで接するなど温度差を意識する)
    • ただし自己一致していない:自分をつくっているとわかってしまうと相手とのコミュニケーションが崩れる
  • 人によって意味・鄭義の異なる言葉を聞き返したりして明確にしてみたりする

ワークショップ形式だと参加者同士でコミュニケーションが生まれて良いですね。あと、これらの手法や考え方はそのまま面接官にも適用できるのではないかと思いました。採用面接や評価面接もその人となり、または考えていることを聞き出すという意味では一種のユーザーインタビューなのでそういう業務をされている方々も一読の価値ありなのではないかなと。

ざっとメモ載せた感じですが、ワニ好きデザイナーさんのこちらのブログにはもっと丁寧にまとめられています。見習いたい。

takana8.hatenablog.com